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「人は背中から老いていく」2025年 長月

 

 

最近、姿勢が悪いと言われるようになった、歩くとすぐ疲れる、空を見上げるのがつらい…。
そんな「小さな変化」を見過ごしていませんか?

 

見た目も、健康も、命さえも左右するのが、実は加齢による【背中の丸まり】です。

 

「背中の老い」を進める見えない敵とは?

ところで、みなさんは「ロコモティブシンドローム(通称:ロコモ)」をご存じでしょうか。

 

「運動器の障害によって立ち座りや歩行などの移動機能が低下した状態」の総称で、
2007年に日本整形外科学会が提唱した概念です。
超高齢化社会になり、ロコモになる人が爆発的に増えてきています。

 

ある日突然なるものではなく、加齢にともなってじわりじわりとこの状態になっていくので、
病気を発症したり、深刻な症状になったりする前の「未病」といわれる状態から、
対策を立てる必要があるとされています。

 

ロコモは、体を「支える」運動器=骨、「曲げる」運動器=軟骨・椎間板、
「動かす」運動器=骨格筋・神経の3種類の障害からなり、
具体的にはそれぞれ次のような疾患をもたらします。

 

1:骨の障害によって起こる代表的な疾患→骨脆弱性骨折、骨粗しょう症
2:軟骨・椎間板の障害によって起こる代表的な疾患→変形性ひざ関節症、変形性腰椎症
3:骨格筋・神経の障害によって起こる代表的な疾患→神経障害、サルコペニア
    (筋肉量が減少して筋力が低下してしまった状態)

 

ロコモが進行すると「要支援・要介護」の状態に

なぜここでロコモの話題を持ちだしたのか。

 

それは、1から3に該当するすべての状態・疾患が、
腰部脊柱管狭窄症や脊柱変形とそれにともなう
脊柱後弯、すなわち「背中の老い」に密接に関わっているからです。

 

ロコモは気づかないうちに進んでいくものなので、
まさに「見えない敵」といっていいでしょう。

 

掲載した資料のとおり、70代女性の30%、80代女性の44%が骨粗しょう症に、
男性の80%、女性の65%が変形性腰椎症に、
80歳以上の男性の32%、同じく女性の48%がサルコペニアに、
それぞれなるというデータがあります。

 

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とても高い確率であり、みなさんも他人事ではありません。

ロコモが進行すると、背中が老いていくだけでなく、移動機能が総じて低下していき、
自分ひとりで生活することが難しくなります。

 

つまり、要支援・要介護の状態になってしまうということです。
体を思いどおりに動かせなくなると、機能低下はさらに進み、
寝たきりになる可能性も高まります。

 

そうならないためにも、早期のロコモ対策は欠かせません。
高齢者になり、「これはまずい」と思ったときには手遅れになってしまいます。
たとえ自覚症状がなくても、若いころから運動習慣を身につけるに越したことはないのです。

 

過度な「安静」は病状を悪化させる

「私は慢性的な腰痛持ちだから、運動は難しいわ。
安静第一。痛みが増したら大変だし、かえって逆効果になっちゃうわよ」

 

「毎日コツコツというけれど、筋肉痛になったらさすがに休んでいいんだよね?
痛いのに運動をしたら、体に悪いでしょ」

 

「年寄りはなるべく体を動かさないほうがいいというのが、死んだ母の教えでした。
筋力が落ちているにもかかわらず運動をしたら、
どこか別のところにガタがくるのではないでしょうか。
あまり体に負担をかけないほうが、長生きできるような気がします」

 

これらのご意見、ご感想に対しては、はっきり「そうではありません」と申し上げます。
もちろん、個人差はありますし、そのときの状態にもよります。
無理をしてはいけませんし、過度に運動をする必要もありません。

 

大ケガをした場合は、治療を受けたあとに安静、というのが大原則になります。
ただ、あくまで平均的な話をすると、痛みがあっても、年をとって体が衰えてきても、
積極的に運動をするに越したことはないのです。

 

回復ではなく機能喪失が起きてしまう

かつては「痛みがあれば安静に」「年齢とともに無理をせず」が定説でしたが、
現代の医学では「過度な安静が逆に病状を悪化させる」ことが解明され、
数多くの論文や医学的根拠が発表されています。
過度な安静は、次のような疾患をもたらす恐れがあるのです。

 

1:筋力の低下→1日寝たきりで過ごすと、背筋・大腿筋を中心に筋力が1〜3%低下し、
      それが1週間続くと10%以上失う可能性あり
2:骨密度の低下→骨への荷重が減って骨吸収が進行し、骨粗しょう症が悪化する
3:姿勢アライメント(関節や骨など体の各部位の整列具合)の悪化
      →寝たまま、もしくは前かがみの姿勢を続けていると、脊柱後弯の進行を助長する
4:呼吸機能の低下→背中が丸まって胸まわりの骨が動きにくくなることで、
      肺活量が低下し、誤嚥性肺炎のリスクが増す
5:心理的な影響→活動低下によって意欲が喪失し、うつ傾向(不活動症候群)をまねく

 

これ以外にも、「入院中の高齢患者の約3分の1が、
退院時にADL(日常生活動作)レベルが低下していた。
すなわち、安静を強調しすぎた結果、回復ではなく機能喪失が起きていた」など、
数多の報告がなされています。

 

疲れたときに体を適度に動かす効果とは

また、疲れたときにあえて体を適度に動かすことにより、
血流をよくして疲労物質の排出を促す「アクティブレスト(積極的休養)」
という疲労回復法があり、厚生労働省がこれを推進しています。

 

どんなに疲れていても、痛みがあっても、体を動かせる状態なら、
少しでも動かしたほうが、はるかにプラスに働くのです。

 

あくまで「無理のない範囲で」という条件が前提になりますが、
やらないよりもやったほうがいいことは間違いないので、
その先にある《健康長寿》を見据えて、長く続けていきましょう。

 

ライフスタイル関係Webページ 参照

 


 

 

8月28日:下野新聞1面の見出し記事

 

「過去20年で最も暑い夏に」
最高気温が35度を超える猛暑日になった日数が8月末までの最多を更新。
宇都宮は2023年の22日だったのを2日更新して24日間。(1月〜8月の猛暑日日数)
9月の前半も気温の高い日が続く見通し、
年間を通した猛暑日の数としても最多を更新する地点が出る可能性も。

 

今夏、普通に自動車の車内温度計が35度overだったから。。
この暑さが「これからの夏の常識」とならないことを願っています。

 

今回は「人の背中」などを拾ってみました。
年齢は人の後ろ姿にも現れてきますからね!

 

ご参考までに・・・
つづく。